- ポッドキャストの収録に最適なマイクを探している
- どんなマイクがポッドキャスト向けなのか、その根拠を知りたい
- 初心者や一般ユーザーに手頃なマイクがほしい
- マイクといっしょに揃えたほうがいいアイテムは?
といったお悩みを解決できる記事となっています。
この記事を読めば、初心者および一般ユーザーが、ポッドキャスト用にどんなマイクを用意したらいいいのかがわかります。
こちらの記事はこんなお悩みにおすすめ ポッドキャストの収録や配信の方法がわからない 無料で使える編集ソフトのおすすめを知りたい BGMはどうやって挿入するの? GarageBandの使い方を知りたい[…]
ポッドキャスト向けのマイクとは?
初心者や一般ユーザーの場合、レコーディングスタジオで収録する機会はなかなかないでしょう。
たとえば自宅とか、防音設備がなくて、それなりに雑音が入ってしまう環境がほとんどではないでしょうか。
初心者~一般ユーザー向けのマイクは、「音質がよくて、よけいな雑音を拾わない」に尽きるのではないかと思います。
だからこそ、マイクの種類や性質をおおまかにでも知っておいたほうが、用途のちがうマイクを買わずに済みます。
マイクの選び方
マイクの違いは、音質、価格、メーカーだけに左右されるものではありません。
「有名メーカーの高いマイクを買えば、いい音が出るのだろう」というのは間違いです。
最近は、オンラインセミナーやズーム会議、YouTube人気で、一般の人たちのあいだでもマイクが注目されてきています。
今回、ポッドキャスト向けに限定していますが、マイクの種類や性質を知れば、ほかの場面に最適なマイクも探せるはずです。
指向性とは
まず最初に断っておきたいのが、指向性の違いによって、マイクの性質は大きく変化しますが、指向性をスイッチひとつで切り替えられる便利なマイクも売られています。
いろんな用途に対応できるマイクをお求めの方は、指向性を切り替えられるタイプのマイクをお探しください。
指向性は、マイクが拾える音の強さや感度が、方向によって変わってくる性質のことです。
指向性の種類は、大きく分けて、3つ。
- カーディオイド(単一指向性)
- オムニ(無指向性)
- フィギュア8(双指向性)
①カーディオイド(単一指向性)
単一指向性には、ほかにもいくつか種類がありますが、一般的なのが「カーディオイド」です。
正面からの音をいちばん感度よく拾います。その反面、後ろからの音は感度が低いです。
わかりやすい例としては、ライブ会場で、ボーカルの声をよく拾い、観客の声を拾いにくくすることができます。
②オムニ(無指向性)
無指向性は、どの方向からの音も、均等に拾うのが特徴です。
360度どの方向も感度が同じなので、周辺の音を全方向から拾ってきます。
感度がよいものだと、ノイズが多くなりがちです。 会議やミーティングに向いています。また、楽器のレコーディングなどにも使われます。
③フィギュア8(双指向性)
双指向性は、マイクの正面と背後からの音を拾うのに優れています。横からの感度が低いです。
向かいあって対談する場合などに使われることが多いです。
ここまで指向性をみてきましたが、ポッドキャストに向いているのは①の「単一指向性」マイクです。2人が同じ場所で対談形式で収録する場合は、③の「双指向性」マイクも使えます。
コンデンサーマイクとダイナミックマイクの違い
コンデンサー | ダイナミック | |
音の感度 | いい | ふつう |
湿度 | 弱い | 強い |
衝撃 | 弱い | 強い |
電源 | ファンタム電源が必要 ※USB型マイクは直接パソコンに接続 | 不要 |
価格 | 高め | 安い |
コンデンサーマイクは感度がいいため、ノイズを拾いやすいです。
対して、ダイナミックマイクは感度がよくないぶん、雑音を隠してくれます。
基本的にはそうなりますが、マイクの性能や編集ソフトの使用、口をマイクに近づけてしゃべる、などで、コンデンサーマイクでも、雑音対策は十分にとれます。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは、ダイアフラムという薄い金属の膜が電気で振動し、電気信号を出力します。そのため、電力を供給する必要があります。
※USB接続のコンデンサーマイクなら、パソコンから電力を供給できるので、ファンタム電源のための機械を用意する必要がありません。
- 感度がよくて音の解像度が高い
- 音質がきれい
- 音量が大きい
- 繊細で、壊れやすい
- 湿気に弱いため、管理場所に注意が必要
ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは、ダイアフラムに取りつけられたコイルと磁石の動きで、電流を発生させます。電源が必要ありません。
- 湿度や衝撃に強い
- マイクに近い音を拾うので、よけいな雑音が入りにくい
- ハウリングしにくい
- 感度が悪く、繊細な録音が苦手(音質があまりよろしくない)
- 口をマイクに近づけて話す必要あり
XLRとUSBの接続方法の違い
マイクを接続する方法は、USB接続とXLR接続の2通りです。
XLR接続は、オーディオインターフェイス(※)を介してパソコンに接続します。 いっぽうのUSB接続は、直接パソコンに接続します。
初心者や一般ユーザーであれば、USBマイクで十分だと思います。 オーディオインターフェイスの購入も必要ないですし、初期費用が少なくて済みます。
その後、音質のこだわりなど出てきたら、XLR接続を検討してはいかがでしょうか。 USBマイクは持ち運びに便利なので、別の用途でも重宝するはずです。
XLR接続
キャノンという接続端子を、オーディオインターフェイスという機材につなげて使います。
- 音質がいい(プロが使用するレベル)
- XLRマイクは種類が豊富で、いろんな用途に対応できる
- オーディオインターフェイスが必須(別に購入しないといけない)
- 機材が多くなってしまい、持ち運びが困難
USB接続
直接パソコンに接続して使います。
- セットアップが簡単
- 持ち運びがしやすい
- 価格がお手頃
スマホに接続して使うタイプもある
USB接続タイプのマイクであれば、スマホにも接続可能です。
iPhoneに接続する方法として、Lightning接続と3.5mm接続があります。
- iPhone 7以降は、3.5mmイヤホンジャックが廃止。3.5mmイヤホンジャックのマイクを使う場合は、別途ケーブルが必要。
iPhone 7以降をお持ちの方は、Lightningイヤホンジャックがおすすめ。 - iPhoneもAndroidも、4極端子のマイクが必要。ただし、3極端子のマイクでも、変換アダプタを使用すればOK。
初心者および一般ユーザーにおすすめのマイク3選
マイクは数千円から10万円以上まで、値段はピンキリです。 4、5万円も出せば、かなりいいマイクが買えますが、最近は1万円台でも高性能なものが出ています。
ポッドキャスト初心者および一般ユーザーにおすすめしたいのは、1万円台のマイクです。 コスパのよさに定評があり、愛用しているユーザーも多いので安心。1万円台でも十分なクオリティーです。
- 『Yeti BM400』(Blue)
- 『MV5』(SHURE)
- 『ATR2100x-USB』(オーディオテクニカ)
①Yeti BM400(Blue)
Blueの『Yeti』シリーズは、世界的に超有名なマイクです。 BlueはBlue Microphones社の略称で、アメリカのオーディオ製品メーカーです。
ちなみに、アマゾンなどで検索すると、「ロジテック」と書いていることがありますが、ロジテックはBlueの親会社です。
『Yeti BM400』の主なスペック
タイプ | コンデンサー |
接続方法 | USB |
重量 | 550g(マイク)、1kg(スタンド) |
サイズ(スタンド装着時) | 縦12cm x 横12.5cm x 高さ29.5cm |
指向性 | 単一指向性、無指向性、双指向性、ステレオ |
価格 | 18,810円(定価)→14,000円前後で販売中 |
- 用途に応じて、指向性を4つの中から選べる(単一指向性、無指向性、双指向性、ステレオ)
※「ステレオ」とは、左右からワイドでリアルな音を収録。アコースティックギターやピアノなどの楽器の録音に最適。 - ゲインをつまみで操作できる(ノイズの調整など)
- ミュートボタンがあり、押すだけでミュートにできる
- ヘッドホンジャックがついている
- サイズが大きく、安定感がある
- 大きくて重くて、持ち運びに向かない
- iPhoneにもAndroidにも接続できるが、別売の変換ケーブルが必要
※AndroidにはUSB-C端子、iPhoneにはLightning端子が必要です。
『Yeti』シリーズについて
『Yeti』シリーズは、『Yeti NANO』『Yeti』『Yeti X』の3つのモデルからなっています。
おすすめの『Yeti BM400』は、中間モデルの『Yeti』です。 ハイエンドモデル『Yeti X』は上級者向けなので今回は除外するとして、下位モデル『Yeti NANO』との主な違いは以下の4点。
- 指向性を選択できるのは2つ(『Yeti』は「ステレオ」を含めて4つ)
- ゲインコントロールのつまみがなく、アプリで対応
- 一回り小さいサイズで、重さも630gと軽量
- 価格は15,510円(定価)
②MV5(SHURE)
SHURE(シュア)の『MV5』は、Blueの『Yeti』にも匹敵する人気マイクです。
SHUREは1925年創業の、アメリカのオーディオ製品メーカー。業界ではじめて、単一指向性のマイクを発売しています。
『SHURE MV5』の主なスペック
タイプ | コンデンサー |
接続方法 | USB |
重量 | 160g |
サイズ(スタンド装着時) | 8.9cm x 高さ14.2cm x 9.7cm |
指向性 | 単一指向性 |
価格 | 12,000円前後 |
- 3つのプリセットモード(ボイス、フラット、楽器)を搭載、用途にあわせて簡単に切り替えられる
※プリセットとは、あらかじめ最適に調整された設定 - コンパクトなので、持ち運びや片づけが楽ちん
- スマホに直接、接続できる(変換ケーブルが必要ない)
- ゲインやイコライザーなどの機能がオートで、勝手に最適化してくれる
- ヘッドホンジャックがついている
- ミュートボタンがあり、押すだけでミュートにできる
- 軽量でコンパクトだが、そのぶん安定感に欠ける
- 小さいため、ちょうどいい高さにするには、台などで調整する必要がある
- 単一指向性のみなので、幅広い用途には対応できない
③ATR2100x-USB(オーディオテクニカ)
オーディオテクニカの『ATR2100x-USB』は、音声配信者のあいだで定評のあるダイナミックマイクです。
オーディオテクニカ は、日本のオーディオ製品メーカーです。サマーソニックなどのビッグイベントにマイクを提供することも多いです。
『ATR2100x-USB』の主なスペック
タイプ | ダイナミック |
接続方法 | USB、XLR |
重量 | 268g |
外形寸法 | 直径51cm x 高さ18.3cm |
指向性 | 単一指向性 |
価格 | 11,880円(定価) |
- ダイナミックマイクは、マイク近くの音をしっかり拾うのが特徴なので、周囲の環境音を拾わない
- 接続がUSBとXLRのどちらでも可能(USB端子でパソコン・スマホと接続できるし、XLR端子でオーディオインターフェイスに接続もできる)
- ダイナミックマイクなので、頑丈で湿度に強く、管理が楽ちん
- ダイナミックマイクは感度が低いので、口をしっかりマイクに近づけないと、収録音が小さくなってしまう
- コンデンサーマイクにくらべると、音質がやや劣る
『Yeti BM400』(Blue)を買ってみた
マイクを3つにまで絞りこんで、かなり迷ったけど、Blueの『Yeti BM400』を購入しました。
選んだ理由は、以下の6つ。
- 指向性を用途に応じて選べること
- ゲインコントロールのつまみがあり、ミュートボタンもあること
- 屋外などへの持ち運びの予定がなく、宅録がメインなので、それなりの重さと大きさがほしかった(安定感)
- 見た目がかっこいい
- USB接続
- この価格帯のマイクの中では、トップクラスに評判がいい
マイクの周辺機器のこと
音質をもっとよくしたいのなら、XLR接続のマイクで、オーディオインターフェイスを使うのがベターです。
でも、僕たちのような初心者および一般ユーザーは、まずはUSB接続のマイクで十分。 ただ、これだけはなるべく追加で用意したほうがいいよ、というものがあります。
- ポップガード
- ヘッドホン
ポップガード
ポップガードは、ポップノイズとよばれる雑音対策に使われる重要アイテムです。
ポップノイズとは、「ぱぴぷぺぽ」など破裂音を発音するときに入ってしまう雑音です。
破裂音がマイクにあたると、ポフッという音を録音してしまうわけです。 ポップガードを通して話すことで、この厄介なポップノイズを出さないことができます。
また、飛沫をガードしてマイクを湿気から守ってくれる役目もあります。
購入するマイクに問題なく取りつけられるポップガードを選んでください。 購入したマイクの専用ポップガードがおすすめ。
例)Blue『Yeti BM400』なら、『Auphonix ポップガード Blue Yeti マイク用』。
ヘッドホン
ポッドキャストの編集では、声だけでなく、背景に音楽を流すこともあります。 イヤホンでもいいですが、もっといい音質で聴けるヘッドホンがおすすめ。
ヘッドホンもピンキリなので、予算の許す範囲で選ぶといいです。 あんまり安いと、イヤホンと変わらないかもしれません。
僕が選んだのは、オーディオテクニカのATH-M30です。 すでに生産終了ですが、アマゾンや楽天で安く販売されています。
マイクによっては、ヘッドホンを接続できるものもあります。 自分の声をリアルタイムでチェックできるので、便利です。
【まとめ】初心者向けポッドキャスト用マイクの選び方
ポッドキャストの初心者および一般ユーザー向けのマイクなら、お手頃・お手軽なものを重視しつつ、なるべく高品質なものを選びたいものです。
それと、マイクを選ぶときは、性質まで考えておくのが重要です。
マイクの性質
- 指向性
- コンデンサー or ダイナミック
- USB接続 or XLR接続
①指向性
指向性は、マイクが拾える音の強さや感度が、方向によって変わってくる性質のこと。 単一指向性、無指向性、双指向性のうち、正面の音をいちばん拾う単一指向性がポッドキャストの収録に向いています。
②コンデンサー or ダイナミック
コンデンサーマイクは感度がよく、音質がきれいで、音が大きいが、ノイズを拾いやすい。対して、ダイナミックマイクは感度がよくないぶん、雑音を隠してくれます。
収録の環境があまりに雑音にあふれているというのでなければ、コンデンサーマイクをおすすめします。
③USB接続 or XLR接続
直接パソコンに接続できるUSB接続と、オーディオインターフェイスが必要となるXLR接続。
初心者におすすめなのは、手のかからないUSB接続です。 慣れてきて、よりよい音質を求めたくなったら、XLR接続のマイクでオーディオインターフェイスを駆使していけばいいです。
- Blue 『Yeti BM400』
- SHURE『MV5』
- オーディオテクニカ『ATR2100x-USB』
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