ヨシタケ シンスケ【人気の絵本作家図鑑】

  • 2021年6月5日
  • 2023年10月31日
  • 絵本

モヤモヤを描く天才、ヨシタケシンスケの絵本

どんな絵本作家?

人間らしい不安やモヤモヤした気持ちといった、空気のように目に見えないものを、観察してイラストにするのが天才的にうまい作家さんです。

「あえて口にするほどでもないけど、すごくモヤモヤする」ということを代弁してくれるので、あるあるネタとしても人気があるのがわかります。

そして、子供からみた大人のずるいところや、子供が抜けきれてない大人などを扱うことが多いです。

現実の場合だと、けっこう腹が立つ部分だったりしますが、かわいいイラストになることで、ちょうどいい距離が生まれます。

これくらいの距離感で、あらゆるモヤモヤを眺められたら人生楽だろうなあ、と思いますが、ヨシタケシンスケさんも達観してるわけではなさそうです。

「おもしろいことをたくさん考えて、毎日楽しいでしょう?」
なんて言われることもありますが、実は逆でして、
すぐに「もうダメだ」となってしまうからこそ、
必死になって楽しいことを考え続けないといけないんですね。

引用元:ヨシタケ シンスケ(2019年)「思わず考えちゃう」新潮社(88ページ)

不安だらけだから、よけいに仕事がはかどるわけですね。

切羽つまったものがなくなれば書けなくなる、というのは多くの作家さんが感じていることかも。

それに反論があることは承知していますが、僕の大好きなヘミングウェイなんて、まさにそういう作家でした。

でもまあ、ヨシタケシンスケさんはこの先もずっと、不安というエンジンを燃やし続けてくれる気がします。

ヨシタケ シンスケといえば

妄想とつぶやきで、本が一冊描けてしまいます。

ユニークな空想がたくさん出てきますが、作者の冷静な目も感じます。

それはたとえば、安易に美化しないところとか。

ちょっとしたことにおもしろみを見出すのがうまく、にやにやしながら読むのに向いています。

ヨシタケ シンスケのプロフィール

1973年神奈川県生まれ。
『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化賞美術賞など受賞。
『このあと どうしちゃおう』(ブロンズ新社)で第51回新風賞、『もうぬげない』(ブロンズ新社)でボローニャ・ラガッツィ賞など受賞。

ヨシタケ シンスケの絵本(ピックアップしました)

『りんごかもしれない』ヨシタケ シンスケ ブロンズ新社


テーブルの上にあるりんごは、どう見てもりんごだけど、りんごじゃないかもしれない。
さくらんぼの一部かもしれないし、むいてもむいても皮かもしれない。いろんな可能性を考えてみると・・・。

『ぼくのニセモノをつくるには』ヨシタケ シンスケ ブロンズ新社


宿題やお手伝いにうんざりしていた「ぼく」は、お小遣いでおてつだいロボを購入。
ニセモノになってもらうために、「ぼく」がどんな人間か教える必要ができた。
好きなものと嫌いなもの、できることとできないこと、昔と今、ぼくのいたあと、など。
「ぼく」になってもらうためには知ってもらうことがたくさんある。

『おしっこちょっぴりもれたろう』ヨシタケ シンスケ PHP研究所


おしっこする前やあとに、ちょっぴりもれてしまう、おしっこちょっぴりもれたろう君。
おなじ悩みを抱えてる人がかならずいるはずと、いろんな人をリサーチしてみたところ・・・。

『ねぐせのしくみ』ヨシタケ シンスケ ブロンズ新社


寝ているだけなのに、毎朝ものすごい寝ぐせがついてしまう。
これはもはや誰かのしわざに違いない。
こどもが寝てるあいだに巻き起こる、寝ぐせができるまでの過程を公開。

『なんだろう なんだろう』ヨシタケ シンスケ 光村図書出版


普段はあまり気にもとめないあれこれも、そもそもなんだろうと考えてみると、不思議なことだらけ。
学校って? たのしいって? 嘘って? 友だちって? しあわせって? 自分って? 正義って? 許すって? 自立って? 立場って? 普通って? 夢って?

『ころべばいいのに』ヨシタケ シンスケ ブロンズ新社


嫌いな人がいると楽しくないし、憎んでいる時間がムダ。
頭の中で相手をやっつけたり、映画のかわいそうなシーンを撮影していることにしたり、好きなものや楽しいものを集めて準備したり、いろいろ対策を立ててみるけれど。

『それしか ないわけ ないでしょう』ヨシタケ シンスケ 白泉社


人口が増えすぎて食糧不足、疫病、戦争、未来は暗いと言われるけれど、それしかないわけないでしょう。
大変な未来だけじゃなく、いろんな未来があるはず。

『あるかしら書店』ヨシタケ シンスケ ポプラ社


本にまつわる本の専門店「あるかしら書店」は、あらゆる本探しに付き合ってくれる本屋。
ちょっとめずらしい本、本にまつわる道具、本にまつわる仕事、本にまつわるイベント、本にまつわる名所、本そのものについて、図書館・書店について、といったどんな注文にも答えてくれる。

『つまんない つまんない』ヨシタケ シンスケ 白泉社


「つまんない」をつきつめて考えていくと、「おもしろい」との境目がみえてくるかも。
世界一つまんない遊園地って? つまんない人が300人集まったらおもしろくなる? それとも300倍つまんなくなる? などなど、つまんないの考察。

『もう ぬげない』ヨシタケ シンスケ ブロンズ新社


服がひっかかって脱げなくなった。
このまま大人になったらどうなる? 脱がずに生きていくことを決心したものの、いろんな困難が・・・。

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